次に頭皮の硬さを確認して逆三日月形のデザインを行い、メスを使用して切開をします。 この工程において拡大鏡を使用し、頭皮に対する髪の角度に合わせて、毛根を傷つけないよう細心 の注意を払って行います。髪の生え方はバラバラで平行には決して生えていませんので、 マルチブレードナイフでは毛根を傷つけてしまいます。 移植に使える後頭部の髪にも限界がありますので(日本人では、6,000株、 1万本前後)、十分注意してください。
局所麻酔に関しても、我々オリジナルの方法で行いますので、痛みと出血はあったとしても極軽度です。
我々はこの工程において、モニター付顕微鏡6台とマンティス実像拡大鏡5台を駆使して、正確な移植用 の株を作り出します。(肉眼ではどんなに器用なスタッフでも2割近くのロスが出ると言われています。) 株分けに大切なのは、スピードではなく、いかに正確にロスなく行うかだと思います。スピードは株分け スタッフの数を増やせば解決しますが、ロスしてしまった髪は2度と取り返せません。
この工程を早く済ますために特殊な器機を使用する方法もありますが、株の多大なロスを引き起こして しまいますので、施術する側が楽になる以外のメリットはないと考えられてますし、国際的にも同様の 見解がなされています。ご希望の患者さんにはクリニックにて実際にこの工程の違いを比較してお見せ しています。
当院では術前に、1平方センチのマスを患者さんの移植部位にデザインして、可能な限り正確に密度を達成するようにしています。 また、髪が生える角度は生え際から頭頂部にかけては15度前後、頭頂部から後頭部は30度、側頭部は10度以下というように部位別に細かな法則があります。
そこで、実際に定期的に画像を撮り、経過を追うことで客観的な評価が可能となりますし、患者さん ごとのデータとなります。 又,私自身も3度の植毛を受けており、移植毛が脱落することは知識として充分あるのですが、その時期は やはり毎回不安になりました。患者様であれば尚更と考えます。しかし、定期的な来院により、色々な 不安や精神的な負担も軽減できると考えています。
又、もし期待通りの結果が得られない場合でも、データを集める事によって信頼関係を築けていれば、 出来る限りの対応が可能だと思います。この定期的な経過観察(遠方の方は電話と画像にて)をしていた だくことで、術後の保障もさせていただきますのでお互いにとっても有益なものとなります。